理科準備室

各ページでは、測定に関する用語集、測定する部位、測定方法を解説しています。
また、本ページではアルファーでの測定の歴史を掲載しています。

2018/7/11  にんじんのカロテノイド測定

遠心分離機とチューブ

2015年1月15日この理科室準備室を始めた時点から、
にんじんのカロテノイドも測定を始める予定でしたが、
どんどん時が流れてしまいました。
トマトのカロテノイドについては、
ほぼ確証に近いものができてきました。

言い訳がましいのですが、担当者の私が忙しいという事もあり・・。
栽培台帳調査から飛び出して、
料理動画100動画作成と、クックパッドのレシピ150作り、そして薬膳まで発展して、
本日、上海中医薬大学の日本校の中医薬健康養生士という、認定試験にパスしました。
その日に、にんじんのカロテノイドの測定をアップロードする事になりました。
感慨もひとしおです。

人参のαカロテンは、βカロテンの約半分量です。
カロテノイドは体内に入ると、必要分がビタミンAに変換されます。
カロテノイドの中で、βカロテンが一番多くビタミンAに変換されます。
そういうβとαの関係です。

その数値を自社で、簡易測定していきます。
日本食品分析センターさんで、同じ人参を測定して頂きました。
測定方法は、本式の高速液体クロマトグラフィーです。

品名 β-カロテン
(㎍/100g)
α-カロテン
(㎍/100g)
β-カロテン当量
(㎍/100g)
硝酸態窒素
(ppm)
糖度
(Brix)
自社測定
平井さんベータキャロット
7,600 4,300 9,750 9.2 7.0
外部測定
平井さんベータキャロット
7,240 4,400 9,440 - -

ほぼ同程度の値が出ましたので、今後この簡易測定の方法でやっていきます。

カロテノイド分析試験成績書

抗酸化物質の多いミニトマトを作ろう!
2016/10/5

ミニトマト

この理科室では、昨年初めから1年半、トマトのカロテノイドの測定、
保健室で、ミトコンドリア、フリーラジカル、
抗酸化物質を考えてきました。
一方、今年ヨーロッパで、有機農産物の抗酸化物質が増える原因の
研究結果が発表されました。
有機栽培は、慣行栽培と比べ、水と窒素などの不足というストレスで、
対抗メカニズムが活性化し、抗酸化物質が増えるという事です。

だから、慣行栽培と比べると、有機栽培では抗酸化物質が多くなるのです。
これを利用し、ミニトマトを実験的に栽培して、抗酸化物質の多いものを作ってみようと思います。
題して 「フリーラジカルをぶっとばせ」 と言いたいのですが、今から寒くなる季節で収量が期待できず、
ぶっとばすとは程遠い量しかできないと思います。
まあ、やってみます。

① 化学肥料を与えるもの
② 無肥料のもの
③ 水をストレスなく与えるもの
④ 水をあまり与えないもの

4つのプランターを 事務所内の窓際に設置し、栽培しようと思います。
うれしくて、毎日全部に水をやらないように、注意して育てます。
収穫できましたら、抗酸化物質のカロテノイドのリコピン、ベータカロテンと硝酸態窒素を測定します。

来年の課題
2015/12/29

昨年12月から始動した理科室。
「機能性表示」制度が始まり、
カロテノイドを測定する事と、ホームページで理科室をやって行く事で、やってきました。
早いもので、1年経過しようとしています。

次のステップとして、打ち出そうとしているテーマは「健康長寿」。
カロテノイド、硝酸態窒素測定から、世界を大きくしただけなのですが、
健康で長生きできる事は、人間の永遠のテーマです。

どんなものを食べていくか、どのように生活していくかを考えていきたいと思います。
きっかけは、スーパーフードの本を読んで「フリーラジカル」という言葉が引っかかり続け、
一方でスロージューサーで、ビーツジュースや、ざくろジュースを作っていました。
どんどん健康志向にはまっていきました。

いろいろと本を読み、勉強して、この世界感を繰り広げたいと思っています。

当麻有機とまと 清見とまと カロテノイド測定
2015/8/12

当麻有機とまと、清見とまと

取扱いのトマトは是非 測定したいと思い、
盆の忙しい時期ではありますが、測定しました。
本日は、トマトの結果について、いろいろ書いていきます。

大玉とまとの前に、ミニトマトの結果について。
7月末にミディとミニトマト 4種を測定し、公開しています。
結果は大玉と比べて、高い数値を示しています。

味は、ミニトマトは糖度が高く 濃いので、当たり前といえばそうですが、
食べてみた味、と同じ結果となっています。
中玉のアグリオーレで リコペン:8009、 βカロテン:768
大雪ミニトマトが   リコペン:8078、 βカロテン:842
苫前のキャロル10が  リコペン:6373、 βカロテン:1017 と、カロテンが特に高い数値。
どれも大玉は、3,000~5,000の領域ですが、7,000~8,000の領域の違う高さです。

そして大玉は、
本日の当麻有機とまとが リコペン:5404、 βカロテン:438。
清見とまとが リコペン:3408、 βカロテン:147。

画像をだしていますが、当麻の方が赤い色が濃く、潰した液も赤色が濃いです。
やはりカロテノイドは色素ですので、赤い色が濃い方が数値が高くなりました。

実は2日間事務所に常温で置きっぱなしになっていたので、熟度が増していたかもしれません。
再チャレンジして、データを取る必要があるとは思います。

今までのデータを見ると、
4月に池さんのおにとまとを測定しましたが、これは、2個のとまとが合わさったようなとまと。
中身も2個分。リコペン:13,000、 βカロテン:1,800 の値は、驚異的でした。
フルーツ系、塩とまとは リコペン:5,000位あり、
池さんのとまとは、リコペン:6,800あったのも、さすがに高いなぁといわざるをえないです。

普通のとまとは3,000~5,000で、高いものは もっと高くなるという感じでしょうか。

今後は熟度が進むと、数値が高くなるので、
入荷して1,2日で、なるべく熟度が進まない様『冷蔵』に保存して、測定するようにします。

測定値は、安定はしてきているようです。

2015/4/8
四万十源流 特別栽培 生姜と赤生姜 の6-ジンゲロールと6-ショウガオール 分析結果

分析機関に出して、検査結果が返ってきました。

産地 品名 6-ジンゲロール
(mg/100g)
6-ショウガオール
(mg/100g)
高知県 四万十源流生姜 76 0.5
四万十源流生姜・赤 69 0.4

(高速液体クロマトグラフ法 液体クロマトグラフ質量分析法)

という結果でした。

四万十源流生姜

今回、いろいろ調べて見ました。
ジンゲロールは収穫後すぐの方が、多く検出されるだろうという事。
一方ショウガオールは、新もののときはほとんど存在しないそうです。
保管し、乾燥・加熱で、
ジンゲロールがショウガオールに変換するという事がわかりました。
ショウガオールが検出されているという事は、
すでにジンゲロールが、変換してショウガオールに
代わっていた事になります。

分析を自社でできるようになれば、何度か、測定してみたいところですが、
分析料がかかることですので、次にだすのは、収穫後のタイミングという事になります。

品種について、 ジンゲロール・ショウガオールは、小型の品種の生姜の方が含有量が多いそうです。
金時生姜や谷中生姜が、小型の分類です。
この四万十源流生姜と赤生姜は、大型の生姜です。

ちなみに、
永谷園さんの生姜部の「生姜の基礎知識」で紹介されている
生の生姜のジンゲロールとショウガオールが、
弊社の生姜の結果の単位に換算すると、
 ジンゲロール   57mg/100g
 ショウガオール  0.8mg/100g
です。

塩とまと カロテノイド 糖度測定
2015/3/27

熊本の塩とまとを測定しました。
2サンプルで、測定しました。
糖度は果肉とゼリー部分と分けて測定しましたが、2個の個体で逆の結果がでてしまいました。

Aが 果肉 9度 ゼリー部 10度に対して
Bは 果肉10度、ゼリー部  9度でした。

リコペンは  4562μg/100g
βーカロテンは 184μg/100g でした。

ホモジナイズしたとまと ヘキサン、アセトンを合わせてからの蒸発を避けて、
すぐに測定し、光に弱いカロテノイドを暗いところで測定しました。
結果は、リコペンは高い数値です。
ベータカロテンが低い値が気になります。
計測の精度をあげようとは思っていますが、各データのバラつきが大きいです。
ご覧ください。
サツマイモは上部、つまり、つながっている方が糖度が高く、
ニンニクは下の根の方が、甘いという事になります。

ライマン価測定 鹿児島県 沖永良部島 新じゃがいも ライマン価:14
2015/3/4

沖永良部島産じゃがいも

前回ライマン価(でんぷん価)を測定したのは、2011年でした。
塩水につけて、浮いてくるときの塩水の比重で、
ライマン価がわかります。
(前回以前は、比重を計算してライマン価を出していました。)
これからはもう少し、ライマン価の測定を熱心にやっていこうと
反省しています。

品種デジマは一般のもので、ライマン価は 9~11 程度です。
(男爵で14くらい。)
男爵より、でんぷん質は、少ない品種なのですが、
この上村さんのデジマのライマン価は14 でした。
でんぷん質の高い良いじゃがいもです。

有機 あゆみトマト測定
2015/2/12

あゆみとまと あゆみとまとをホモジナイズした試液

熊本県産 あゆみトマトを測定しました。
3個のトマトからそれぞれ2つの試料を採取して、
1つの試料から4本ずつ試験管にとり、吸光度を測定しました。
データを多くとって測定誤差をなくし、より正確な値を出そうという事でした。
実際、ばらつきは大きく、次回からは、1個のトマトから6つのデータを出そうと考えています。
測定中、有機溶媒が減ったように見えました。それは、蒸発によるもののようです。 

光に弱いカロテノイドだそうで、リコペンもカロテンも、クロロフィルも、暗くする工夫が必要です。
その上で、有機溶媒は揮発性が高いので、
1つ抽出してはその都度、吸光度を測定をこころがけたいと思います。
その観点からいうと、この測定はまだまだです。

ジェネレーターシャフトののホモジナイザーを購入しようと探しています。

カロテノイド 初測定
2015/1/21

カロテノイドの測定

昨日、カロテノイドを測定しました。
池さんのとさいずまとまとを測定。糖度が9.1度という高糖度のとまとです。

まず、このために購入したハンドミキサーでトマトをつぶしました。(上の左の画像)

次にアセトンとヘキサンを4ml、6mlと計測して、
ホモジナイザーにトマト試料1gと、アセトン・ヘキサンを合わせて入れ、均一化しました。(上の中央の画像)
すこし放置すると、沈殿してきます。

次に液を試験管に移し(上の右の画像)、
分光光度計で663nm、645nm、505nm、453nmの吸光度を測定しました。
その後、計算式で計算します。

結果は、
クロロフィルa 6520㎍(マイクログラム)
クロロフィルb 5054㎍
リコペン 6320㎍
β-カロテン 2476㎍
でした。

β-カロテンは食品成分データベース(文部科学省)では540㎍でしたので、
池さんのとまとは2476㎍で、4.5倍以上あったことになります。
一般とまとのリコペン、クロロフィルなどが、どれくらいの量なのかを調べていきたいと思っています。

数値報告は、理科室のカロテノイドのページを作成し、公開していきます。

理科準備室 始動
2015/1/15

分光光度計と試薬

現在、カロテノイドを測定しようと、準備を進めています。
計測機器の購入、測定方法の確認などで、
ようやく骨格ができてきた感があります。

独立行政法人 農研機構の野菜茶業研究所
という研究機関が公開している測定方法と計算方法で、
トマトのクロロフィルa、クロロフィルb、リコペン、β-カロテンを
測定していこうと考えています。

そもそも、カロテノイドは、高速液体クロマトグラフィーで高圧に加圧して測定する方法が一般的で、
分析機関が分析してくれますが、自分たちでできる方法を探しました。

その方法とは、分光光度計でトマトの吸光度を測定して、
計算式でそれぞれクロロフィルa、クロロフィルb、リコペン、β-カロテンを導き出します。

簡単にご説明しますと
トマトの試料をアセトンとヘキサンに混ぜ合わせ、その吸光度を測定します。

計算式
β-カロテンの濃度(mg/100ml) = 0.216A663 - 1.22A645 - 0.304A505 + 0.452A453
(ただし A663、A645、A505、A453 は、それぞれ 663nm、645nm、505nm、453nm の吸光度です)
(1nmは、1 nm = 0.001 µm = 0.000001 mm)

なので、この663nm、645nm、505nm、453nm 4種類の吸光度を測定するわけです。

有機溶剤(アセトン、ヘキサン)を使用した事のない素人ですので、慎重に進めていきたいと思っています。


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