2015年1月15日この理科室準備室を始めた時点から、
にんじんのカロテノイドも測定を始める予定でしたが、
どんどん時が流れてしまいました。
トマトのカロテノイドについては、
ほぼ確証に近いものができてきました。
言い訳がましいのですが、担当者の私が忙しいという事もあり・・。
栽培台帳調査から飛び出して、
料理動画100動画作成と、クックパッドのレシピ150作り、そして薬膳まで発展して、
本日、上海中医薬大学の日本校の中医薬健康養生士という、認定試験にパスしました。
その日に、にんじんのカロテノイドの測定をアップロードする事になりました。
感慨もひとしおです。
人参のαカロテンは、βカロテンの約半分量です。
カロテノイドは体内に入ると、必要分がビタミンAに変換されます。
カロテノイドの中で、βカロテンが一番多くビタミンAに変換されます。
そういうβとαの関係です。
その数値を自社で、簡易測定していきます。
日本食品分析センターさんで、同じ人参を測定して頂きました。
測定方法は、本式の高速液体クロマトグラフィーです。
品名 | β-カロテン (㎍/100g) |
α-カロテン (㎍/100g) |
β-カロテン当量 (㎍/100g) |
硝酸態窒素 (ppm) |
糖度 (Brix) |
---|---|---|---|---|---|
自社測定 平井さんベータキャロット |
7,600 | 4,300 | 9,750 | 9.2 | 7.0 |
外部測定 平井さんベータキャロット |
7,240 | 4,400 | 9,440 | - | - |
ほぼ同程度の値が出ましたので、今後この簡易測定の方法でやっていきます。
この理科室では、昨年初めから1年半、トマトのカロテノイドの測定、
保健室で、ミトコンドリア、フリーラジカル、
抗酸化物質を考えてきました。
一方、今年ヨーロッパで、有機農産物の抗酸化物質が増える原因の
研究結果が発表されました。
有機栽培は、慣行栽培と比べ、水と窒素などの不足というストレスで、
対抗メカニズムが活性化し、抗酸化物質が増えるという事です。
だから、慣行栽培と比べると、有機栽培では抗酸化物質が多くなるのです。
これを利用し、ミニトマトを実験的に栽培して、抗酸化物質の多いものを作ってみようと思います。
題して 「フリーラジカルをぶっとばせ」 と言いたいのですが、今から寒くなる季節で収量が期待できず、
ぶっとばすとは程遠い量しかできないと思います。
まあ、やってみます。
① 化学肥料を与えるもの
② 無肥料のもの
③ 水をストレスなく与えるもの
④ 水をあまり与えないもの
4つのプランターを 事務所内の窓際に設置し、栽培しようと思います。
うれしくて、毎日全部に水をやらないように、注意して育てます。
収穫できましたら、抗酸化物質のカロテノイドのリコピン、ベータカロテンと硝酸態窒素を測定します。
昨年12月から始動した理科室。
「機能性表示」制度が始まり、
カロテノイドを測定する事と、ホームページで理科室をやって行く事で、やってきました。
早いもので、1年経過しようとしています。
次のステップとして、打ち出そうとしているテーマは「健康長寿」。
カロテノイド、硝酸態窒素測定から、世界を大きくしただけなのですが、
健康で長生きできる事は、人間の永遠のテーマです。
どんなものを食べていくか、どのように生活していくかを考えていきたいと思います。
きっかけは、スーパーフードの本を読んで「フリーラジカル」という言葉が引っかかり続け、
一方でスロージューサーで、ビーツジュースや、ざくろジュースを作っていました。
どんどん健康志向にはまっていきました。
いろいろと本を読み、勉強して、この世界感を繰り広げたいと思っています。
取扱いのトマトは是非 測定したいと思い、
盆の忙しい時期ではありますが、測定しました。
本日は、トマトの結果について、いろいろ書いていきます。
大玉とまとの前に、ミニトマトの結果について。
7月末にミディとミニトマト 4種を測定し、公開しています。
結果は大玉と比べて、高い数値を示しています。
味は、ミニトマトは糖度が高く 濃いので、当たり前といえばそうですが、
食べてみた味、と同じ結果となっています。
中玉のアグリオーレで リコペン:8009、 βカロテン:768
大雪ミニトマトが リコペン:8078、 βカロテン:842
苫前のキャロル10が リコペン:6373、 βカロテン:1017 と、カロテンが特に高い数値。
どれも大玉は、3,000~5,000の領域ですが、7,000~8,000の領域の違う高さです。
そして大玉は、
本日の当麻有機とまとが リコペン:5404、 βカロテン:438。
清見とまとが リコペン:3408、 βカロテン:147。
画像をだしていますが、当麻の方が赤い色が濃く、潰した液も赤色が濃いです。
やはりカロテノイドは色素ですので、赤い色が濃い方が数値が高くなりました。
実は2日間事務所に常温で置きっぱなしになっていたので、熟度が増していたかもしれません。
再チャレンジして、データを取る必要があるとは思います。
今までのデータを見ると、
4月に池さんのおにとまとを測定しましたが、これは、2個のとまとが合わさったようなとまと。
中身も2個分。リコペン:13,000、 βカロテン:1,800 の値は、驚異的でした。
フルーツ系、塩とまとは リコペン:5,000位あり、
池さんのとまとは、リコペン:6,800あったのも、さすがに高いなぁといわざるをえないです。
普通のとまとは3,000~5,000で、高いものは もっと高くなるという感じでしょうか。
今後は熟度が進むと、数値が高くなるので、
入荷して1,2日で、なるべく熟度が進まない様『冷蔵』に保存して、測定するようにします。
測定値は、安定はしてきているようです。
分析機関に出して、検査結果が返ってきました。
産地 | 品名 | 6-ジンゲロール (mg/100g) |
6-ショウガオール (mg/100g) |
---|---|---|---|
高知県 | 四万十源流生姜 | 76 | 0.5 |
四万十源流生姜・赤 | 69 | 0.4 |
(高速液体クロマトグラフ法 液体クロマトグラフ質量分析法)
という結果でした。
今回、いろいろ調べて見ました。
ジンゲロールは収穫後すぐの方が、多く検出されるだろうという事。
一方ショウガオールは、新もののときはほとんど存在しないそうです。
保管し、乾燥・加熱で、
ジンゲロールがショウガオールに変換するという事がわかりました。
ショウガオールが検出されているという事は、
すでにジンゲロールが、変換してショウガオールに
代わっていた事になります。
分析を自社でできるようになれば、何度か、測定してみたいところですが、
分析料がかかることですので、次にだすのは、収穫後のタイミングという事になります。
品種について、 ジンゲロール・ショウガオールは、小型の品種の生姜の方が含有量が多いそうです。
金時生姜や谷中生姜が、小型の分類です。
この四万十源流生姜と赤生姜は、大型の生姜です。
ちなみに、
永谷園さんの生姜部の「生姜の基礎知識」で紹介されている
生の生姜のジンゲロールとショウガオールが、
弊社の生姜の結果の単位に換算すると、
ジンゲロール 57mg/100g
ショウガオール 0.8mg/100g
です。
熊本の塩とまとを測定しました。
2サンプルで、測定しました。
糖度は果肉とゼリー部分と分けて測定しましたが、2個の個体で逆の結果がでてしまいました。
Aが 果肉 9度 ゼリー部 10度に対して
Bは 果肉10度、ゼリー部 9度でした。
リコペンは 4562μg/100g
βーカロテンは 184μg/100g でした。
ヘキサン、アセトンを合わせてからの蒸発を避けて、
すぐに測定し、光に弱いカロテノイドを暗いところで測定しました。
結果は、リコペンは高い数値です。
ベータカロテンが低い値が気になります。
計測の精度をあげようとは思っていますが、各データのバラつきが大きいです。
ご覧ください。
サツマイモは上部、つまり、つながっている方が糖度が高く、
ニンニクは下の根の方が、甘いという事になります。
前回ライマン価(でんぷん価)を測定したのは、2011年でした。
塩水につけて、浮いてくるときの塩水の比重で、
ライマン価がわかります。
(前回以前は、比重を計算してライマン価を出していました。)
これからはもう少し、ライマン価の測定を熱心にやっていこうと
反省しています。
品種デジマは一般のもので、ライマン価は 9~11 程度です。
(男爵で14くらい。)
男爵より、でんぷん質は、少ない品種なのですが、
この上村さんのデジマのライマン価は14 でした。
でんぷん質の高い良いじゃがいもです。
熊本県産 あゆみトマトを測定しました。
3個のトマトからそれぞれ2つの試料を採取して、
1つの試料から4本ずつ試験管にとり、吸光度を測定しました。
データを多くとって測定誤差をなくし、より正確な値を出そうという事でした。
実際、ばらつきは大きく、次回からは、1個のトマトから6つのデータを出そうと考えています。
測定中、有機溶媒が減ったように見えました。それは、蒸発によるもののようです。
光に弱いカロテノイドだそうで、リコペンもカロテンも、クロロフィルも、暗くする工夫が必要です。
その上で、有機溶媒は揮発性が高いので、
1つ抽出してはその都度、吸光度を測定をこころがけたいと思います。
その観点からいうと、この測定はまだまだです。
ジェネレーターシャフトののホモジナイザーを購入しようと探しています。
昨日、カロテノイドを測定しました。
池さんのとさいずまとまとを測定。糖度が9.1度という高糖度のとまとです。
まず、このために購入したハンドミキサーでトマトをつぶしました。(上の左の画像)
次にアセトンとヘキサンを4ml、6mlと計測して、
ホモジナイザーにトマト試料1gと、アセトン・ヘキサンを合わせて入れ、均一化しました。(上の中央の画像)
すこし放置すると、沈殿してきます。
次に液を試験管に移し(上の右の画像)、
分光光度計で663nm、645nm、505nm、453nmの吸光度を測定しました。
その後、計算式で計算します。
結果は、
クロロフィルa 6520㎍(マイクログラム)
クロロフィルb 5054㎍
リコペン 6320㎍
β-カロテン 2476㎍
でした。
β-カロテンは食品成分データベース(文部科学省)では540㎍でしたので、
池さんのとまとは2476㎍で、4.5倍以上あったことになります。
一般とまとのリコペン、クロロフィルなどが、どれくらいの量なのかを調べていきたいと思っています。
数値報告は、理科室のカロテノイドのページを作成し、公開していきます。
現在、カロテノイドを測定しようと、準備を進めています。
計測機器の購入、測定方法の確認などで、
ようやく骨格ができてきた感があります。
独立行政法人 農研機構の野菜茶業研究所
という研究機関が公開している測定方法と計算方法で、
トマトのクロロフィルa、クロロフィルb、リコペン、β-カロテンを
測定していこうと考えています。
そもそも、カロテノイドは、高速液体クロマトグラフィーで高圧に加圧して測定する方法が一般的で、
分析機関が分析してくれますが、自分たちでできる方法を探しました。
その方法とは、分光光度計でトマトの吸光度を測定して、
計算式でそれぞれクロロフィルa、クロロフィルb、リコペン、β-カロテンを導き出します。
簡単にご説明しますと
トマトの試料をアセトンとヘキサンに混ぜ合わせ、その吸光度を測定します。
計算式
β-カロテンの濃度(mg/100ml) = 0.216A663 - 1.22A645 - 0.304A505 + 0.452A453
(ただし A663、A645、A505、A453 は、それぞれ 663nm、645nm、505nm、453nm の吸光度です)
(1nmは、1 nm = 0.001 µm = 0.000001 mm)
なので、この663nm、645nm、505nm、453nm 4種類の吸光度を測定するわけです。
有機溶剤(アセトン、ヘキサン)を使用した事のない素人ですので、慎重に進めていきたいと思っています。
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