店舗別経常利益UPについて
『店長主導型店舗別経常利益UP』

各部門商品バイヤーが、各店を巡回することは非合理で、
その店に常駐している店長が、
自店の経常利益額UPの為に、
売り場を主導する方が合理的だと考えられます。

そうなると、
店長は各部門トータルの数字以上に、
その一部門の構成比の高い順、商材の旬、
従来の行事やイベント時の、
仕入価格から値入率までを、
商品部から情報として入手し、把握し、行動(DO) して、
粗利額創造に従事するようになります。

ここでも、PDCAの循環が必要になりますが、
店長が自店の予算作成の場合、
何を基準に作成するかと同時に、その根拠が求められます。

予算が最大のPLANとなります。
しかし、その予算は実行されると共に、
CHECK可能な予算組になっていなければ、
予想もしくは願望になってしまいます。

先の各部門各カテゴリー構成比の高いものから、
細かな粗利額創出を実行すると、
その構成比、相乗積から、
全体の予算に根拠を持つことが出来、
その根拠がチェックの対象事項となれば、
次のACTIONに繋がります。

ここからは、
以下の項目に沿って、
品目別に如何に粗利額を最大化するかの、
手法を御紹介致します。

何といっても、
スーパーマーケットの原動力は店舗粗利益高です。

この数値が企業の経常利益高を当然ですが左右します。
従来の 『売れて儲かる商品を仕入る商品部』 と、
店舗が販売して商品別の粗利益高を作る上で、
『売って儲ける店長』 の二面構造が必要になったと思われます。

従前のチェーンストアー理論からすると、
本部管轄の商品部主導で、利益を上げる戦略が
何故効果的でなくなったかは、
社会の経年変化に過ぎないと思われます。

スーパーマーケットの内部的な問題ではないところに、
この問題に対しての深刻さが伺えるのです。

つまり、従前のやり方に問題があるのではなく、
社会の時系列的変化という外部要因が、
それだけでは不充分となった訳で、
変革を鈍らせる大きな要因だと考えられます。

では、少し具体的に検証しますと、
最も大きな要因は、
多店舗展開している店舗数の中で、
店舗ごと個別に見てみると、
オープン時期に最大50~60年程度の差が見られます。

また、この直近40年の時代変化の象徴は、
Computing の著しい発達が上げられ、
変化の質と量は、加速度的に進んでいます。

先の、スーパーマーケット内部の問題では無い事に着目すると、
このComputingの得意なデータ管理を、
新たな基準に付加する事こそ重要で、
言い換えれば従来の商品部の位置づけ其のままに、
新たに店長職の責任を明確化し、
新しい機能として付加する捉え方が有効と考えられます。

つまり、
『売れて儲かる商品』 と、
『売って儲ける店長』 の、
ふたつの要因を追求する事こそが重要だと思えます。
前者には、店舗の意思はまったく入っていません。
すべて、商品部の意思で店舗はただ陳列するだけです。
一方、後者には店長を始めとした店舗の意思が入っています。
『売って』 は売るという意思です。
『儲ける』 も儲けようという意思です。
意思は 『知恵』 です。
その知恵が、Computingの集積データを、
本部が分析し販売戦略まで昇華し、
店長に指示し、管理を促す構造が、
次の項の粗利益高最大化策の実行を生み出します。

『粗利益額最大化』

もちろん目的は、
店内粗利益額の最大化です。

手法は3点を中心に考えられます。
1点目は、
販売点数が変わらない中での粗利益高アップの戦略、

2点目は、
販売点数アップの戦略、

3点目は、
パート人材活用の粗利益高アップの戦略です。

パート人件費を管理コストと勘違いしていませんか。
パート人材は、パート時給以上に稼いで店に、
粗利益を提供してくれる、立派な 『人材』 です。
人材を活かすのも店長の裁量です。

いずれも、店長職主導の店舗戦略の成熟化と、水平展開です。

『データ解析』

Computing の発展は、
本来人間が行って来た、
数える事、計算する事の能力を躍進させました。

そうすると人間はその計算結果に対して解析し、
課題解決のための仮説を立てる事に集中できるようになりました。

先の項 『PDCA・OODAサイクルをまわす』 で、
述べた白菜の話しではありませんが、
一足飛びに言えば、
計算能力向上の結果、
検証データが莫大になり、
その恩恵で、

傾向が、

核心に近く求められるようになりました。
しかもPDCAを回すことにより、
核心近くの仮説を検証しながら、
実を得て行くことが可能となって来ています。

ポイントは、販売店数予測を軸に、
売価を操作して、粗利額最大化につなげる事です。

『PI値管理・相乗積管理』

粗利益額確保に欠かせない、
仮説のひとつに 販売点数予測 があります。

販売点数を掛けて得られる数値には、
単品粗利額がある一方、
予測違いを起こすと、
単品ロス金額、
見切り値引き、
どちらにも直結してしまいます。

前者には、
販売単価で販売予測数量を、
減少させない限度単価を見出し、
粗利額を向上させる手法が、あることは周知の事と思います。
この場合はPI値が基準になり、
如何に変数を把握することが必要になります。

その為には、
月間売上額を、
日別に指数化、
曜日別に指数化、

更に一日の時間帯の中で、
開店から閉店までの間を、
2時間単位で記録しておく、

また天候も記録しておくと、
変数の把握が楽になり、より把握が進むと思います。

但し、
これらはチャンスロスを、
起こしていないことが条件になります。

データを取る場合は、その点に留意が必要となります。

また、このデータ取りには、相応の労力を必要とされます。
その場合は優先順位を、
売上額・粗利額、
それぞれの構成比を基に決め、
高い順に順序立てて、
単品把握をする必要がありそうです。

私見ですが、
お客様から多く粗利額を頂く事は、
その粗利額を、
どのような形でお客様に、還元することが出来るかアイデアと、
セットで考えると、単品単価は上限に近づけます。
すなわち、意図を持った価格に設定する必要を感じます。

ただ言えることは、
無意味に、あるいは期待を込めて、
廉価の価格設定にしても、
販売点数が伸びる時代ではないように思います。

『アイテム別・SKU別粗利額管理』

PDCAをまわすことを前提に考えると、
先ずプランありきです。

そのプランがチェック可能の形のプランになっていないと、
結果を受け入れるだけで、終わってしまい、
PDCAは回りません。
そこで同じ品目、
例えば玉ねぎであっても、
ある程度価格訴求できる市場品と、
粗利率、あるいは一点粗利額を高く設定できる、
銘柄品があると思います。

また同じ品目であっても、
SKU毎に販売店数予測を基に、単価・粗利率を設定してみると、
計画段階で仮説が立てられます。

チェックとはその予測を具体的に検証することになります。

そのように捉えると、
逆に仕入れ価格は、
構造的に適切な価格であるかどうかも問えることに繋がります。

前項で上げている、
 『相乗積』 はここでも有効であり、
メイン商材であればあるほど、
特売を絡めて販売促進の必要が生じます。

その場合は、
単品アイテム別、
SKU別に、
プランを立てておくと、
計画段階で、
特売数値を管理することが可能になります。

またその場合は、
品目・単品相乗積の表を作成しておくと、
品目全体の状況を予測することが可能となり、
仕入先と、
粗利額を販売点数と共に、
共有して作り上げることが可能となり、
双方が協力し合って粗利額を最大化し、
分配することが視覚的に可能となります。

今までの経験上、
ここまでの管理をすることは、
当該部門売り場、
売上額の30%までの品目数なら、
アイテム・SKU別管理可能範囲内となっています。

『品目別粗利額管理』

とはいえ、
残りの品目を、
全く管理しないで流れに任せるとすると、
その結果の影響力は70%ですので、
ここでも相乗積の観点から、
相応の労力を割く必要があります。

従って、
管理方法は品目全体での、
計画と結果について、
売上額・販売点数・粗利率の3点に絞ります。

プランと著しく乖離したものの、
要因をチェックし、
全体の計画数値を修正するのか、
当該品目を一定期間、
アイテム別・SKU別管理品目化して、
徹底したプランを立て修正を試みるかの判断になります。


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