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陰陽五行説と薬膳

アルファー保健室では、Nourishing Vegi(滋養のある野菜)を展開して、
身体が健康で長生きをする為に、滋養のある野菜や食物を摂る事の重要性を訴えて参りました。
こころの健康を維持する為に、ヨガをしたり、知的好奇心を満足させたり、心のリフレッシュをして、
人さまの役に立つ何かをし、社会に貢献できる自分でいる事が、健康で長生きの秘訣なのではないでしょうか、
とお話ししてきました。

ここからは、上海中医薬大学の日本校の講座で学んだ事を、分かりやすく御説明できればと思います。

陰陽学説
実証と虚証
病因
五行学説
相生と相克の関係
中医学と五行学説
薬食同源
薬膳と食養
食材について
陰陽と寒熱(五性)
昇降、収散、潤燥
五味
帰経
効能

 

東洋医学と西洋医学の違い



滋養のある野菜や食物を摂取する教えは古く、
古代中国から「陰陽五行説」で説かれています。
中医学とは中国の伝統医薬学です。
漢方という形で、

中国の伝統医学が日本に導入されていますが、
それも一部分です。
中医学の根底には、陰陽学説、五行学説などの
中国古代自然哲学が基礎にあり、
3千年の臨床経験の積み重ねから、
医学理論体系ができています。

整体観 そして中医学では、
整体観という考え方が中心にあります。
整体観という考え方は、
人は自然界の一部であり、
自然界と密接につながっている事を前提としています。

地球があり、自然界から、季節や気候、
昼夜の変化、標高や高温多湿の環境からの
影響を常に受けています。

人間の身体は
自然や宇宙と繋がって成り立っているという事と、

身体の中で臓器が各部位に密接につながり、
更に連携をして成り立っているという事の、

つまり、
身体の内と外のふたつの調和がとれている事が
重要だとの考え方です。


整体観の宇宙と人体の図 五臓(心(しん)・肝・脾・肺・腎)、
六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)
が身体に適切に配置され、

それらが経絡(けいらく)を通して
五体 (筋・脈・肉・骨・毛皮)、
五官 (目・耳・鼻・口・皮膚)、
九竅(きゅうきょう)
 (口・両眼・両耳・両鼻孔・尿道口・肛門)、
四肢、百骸(ひゃくがい)(骨)

が密接に結びついて全体が統一され、

「精」「気」「血(けつ)」「津液(しんえき)」
の作用によって、
様々な機能活動が行われていると言います。

すべてはそろって、つながり調和して、
整体といいます。
陰陽学説 陰陽学説
陰陽の考え方は、たとえば日光に背を向けて
日のあたる背中を陽、
日陰になるお腹の方を陰ととらえます。

あらゆる物事には陰陽の二つの相反する面をもち、
対立しながら依存し合い、たえず変化しています。

陰陽は相対的に決まるもので、 
陰もしくは陽のピークを過ぎると、陰陽が転じて、
陰は陽に、陽は陰に変化していきます。

陽は 激しく動くもの、外に向かうもの、
上昇するもの、暖かいもの、明るいもの

陰は 静止しているもの、内にあるもの、
下降するもの、冷たいもの、暗いもの

陽は 体表 四肢外側 
六腑 袋で中身がない、気・・・形がない
陰は 体内 四肢内側 
五臓 実質臓器、血、津液・・・液体で形がある 

陰陽のバランスの崩れる原因には「邪気」があり、
「邪気」に対して
免疫力や抵抗力を「正気」といい、
そのバランスの上に成り立っています。

つまり、邪気が強く、正気が弱いと病気になります。


実証と虚証実証と虚証 実証と虚証
陰陽のどちらかが盛んになり、
一定のレベルより多くなり
病気になる事を実証(陰陽偏盛)といいます。

又、逆に陰陽のどちらかが弱くなり、
一定のレベルより少なくなって
病気になる事を虚証(陰陽偏衰)といいます。

余分なもの(熱)を取り去り、
不足(熱)を補う事が治療の基本です。

陽が盛んなら、熱を抑えて、
陰が盛んなら、寒を取り除きます。
病因正気と邪気と病因 病因
絶えず邪気と正気のバランスを取って
成り立っていることを「動態平衡」といいます。

何かの原因でその平衡が壊れ、
自力で回復できない時に病気になります。

邪気からの病気の原因を「六淫」(ろくいん)といいます。
自然界には、「風、寒、暑、湿、燥、火」の6つの気、
六気があり(気候の事です) 
「淫」には侵入や過度という意味があります。
原因はひとつの気とは限らず、ふたつの気が合わさり、
例えば風と寒で病気(風邪)になったりします。

他の原因として、
外因では、疫癘(えきれい)(細菌、ウィルス)と、
外傷(怪我、事故)があります。
内因(身体の中からの原因)としては、
七情(しちじょう)(喜、怒、憂、悲、思、恐、驚)
7つの感情があります。
強いストレスや、長期間悩むと臓腑を傷めます。
7つの内の5つは「五志」で、 
「心は喜、肝は怒、脾は思、肺は憂、腎は恐」で、
五臓と五志の関係があります。

残りの悲と、驚は、肺と腎に対応して、
「肺は憂と悲、腎は恐と驚」が対応します。
度を越した感情は臓器を傷めますし、
逆に臓器の変化が感情に影響します。
病因
五行学説 五行学説
古代中国で生まれた世界観で自然哲学です。
万物は木火土金水という物質から成っている
という考え方です。
陰陽学説と合わせて陰陽五行説となりました。

「木」  古人は曲直(きょくちょく) といい、
樹木が曲がったり、真っ直ぐになったりして
上へ成長する性質 成長、昇発、条達(肝のはたらき)

「火」  古人は炎上       といい、
温熱、上昇、向上などの作用や性質

「土」  古人は稼穡(かしょく) といい、
土に種を播き収穫する、 
生み出す、受納、ものを載せる

「金」  古人は従革(じゅうかく)といい、
変革を意味し、清潔、収斂、
粛殺(秋に木の葉を散らすこと)

「水」  古人は潤下(じゅんげ) といい、
水が下へ流れる事、 寒涼、 滋潤、 向下

五方 自然界と人体の五行への属性

あらゆるものは
その性質から五行に分類する事ができます。
方位では、
東は日の昇る方角で昇発が属する「木」。 
南は熱いので「火」。 
北は寒いので「水」。 
西は日が沈むので「金」。

そして物事は関わり合い協調しながら
平衡を保ち維持しています。

相生と相克の図 相生と相克の関係
相生(そうせい) 
木は火を生じ、
火は灰となって土を生じ
土の中から金属を生じ
金属の表面に水を生じ
水は木を育てる。

相克(そうこく)
木は土に克(か)ち(栄養をとり)
土は水に克ち(せき止め)
水は火に克ち(消し)
火は金に克ち(溶かし)
金は木に克つ(割る)

相生も相克も自然で正常な流れです。


相乗(そうじょう)
木は土を乗じ
土は水を乗じ
水は火を乗じ
火は金を乗じ
金は木を乗じる。 
(相克の流れで、強者が弱者を傷めつける関係)

相侮(そうぶ)
木は金を侮り
金は火を侮り
火は水を侮り
水は土を侮り
土は木を侮る。
(相克と反対の流れで、本来は克つ方が負けている、
負ける方が強すぎて克つ方が傷ついてしまう)
相乗と相侮がバランスを壊します。
相生と相克の説明 中医学と五行学説
五臓の生理機能を五行の性質に照らし合わせて
相生相克関係を読み解きます。

例えば、
木(肝)→火(心) の相生関係で見ていくと、 
ストレスで肝の気の流れが滞ると、
肝気鬱血(脇腹の痛み)が生じ、
「肝(木)は心(火)を生む」事から、
心に影響を与え、イライラや不眠の症状に現れます。

木(肝)→土(脾) 相克関係でみていくと、
ストレスで肝の気の流れが滞ると、 
肝気鬱血(脇腹の痛み)が生じ、
「肝(木)は脾(土)に克つ」
克つというのは、制御する、司るに近い意味があります。
脾・胃に影響を与え、食欲不振、吐き気の症状に現れます。

このように五臓の生理機能は
繋がって調和しながら存在しています。
薬食同源薬食同源 薬食同源

「薬」も「食」も由来は同じ。 
自然界の恵みである
植物、動物、鉱物(ミネラル)からのもので、
食べ物は「栄養」「薬」になるという事です。
薬膳と食養薬膳と食養 薬膳と食養

「薬膳」とは、
厳密には薬効の強い素材を取り入れた
治療食「食療」です。

一方、「食養」とは、
病気を予防し、未病を改善する食材を使った食事を言います。

誰にでもできる「食養」を心がけていきたいものです。
食材について 食材について

生薬
上品薬(じょうほんやく)、
中品薬(ちゅうほんやく)、
下品薬(げほんやく)
と 365種類の生薬が、
中国の後漢の時代(推定25~220年)に
神農本草経で説かれています。

上品薬  無毒で、 
副作用が無く、長期間服用できる。
不老長寿のはたらきがあり、 
菊花(きくか)、枸杞子(くこし)、
大棗(たいそう)、はと麦など

中品薬  無毒、あるいは有毒。
長期の服用は副作用がある。 滋養強壮作用。 
葛根、 百合、 龍眼肉など 
下品薬  毒。副作用がある。 
治療目的に使う。附子、トリカブト

その他にも、
肉桂(にっけい)(桂皮)、高麗人参、うこん、紅花、蓮の実などがあります。

健康効果の高い食材として、
もち米、蕎麦、小豆、緑豆、胡麻、人参、玉葱、生姜、
山芋、白菜、小松菜、青梗菜、にら、しそ、冬瓜、苦瓜、葱、
大蒜(にんにく)、みかん、鴨肉、豚肉、羊肉、秋刀魚、
太刀魚、牡蠣、烏賊、海藻(もずく)、蜂蜜など。
食物の性質 陰陽と寒熱(五性)
まず、体を温めるものと、冷やすものに分けます。
陰陽では温めるものを「陽」、
冷やすものを「陰」に属すとし、それを5つに分けます。
五性(熱・温・平・涼・寒)です。

平は、食材全体の70%を占めます。 
主食になるものや、米や芋などで季節の関係のないものです。

熱性、寒性に属するものは薬味か薬膳素材に使用されます。

温性の食材を食べると身体を温め、
気血津液の流れを良くする効果があります。

涼性の食材を食べると清熱作用によって悪い熱を冷まします。

熱性症状の時に摂ります。
その人にとって、温める方が重要か、冷やす方が重要かです。
クーラーで冷えた体には、涼性の食材はとりすぎると、
冷えすぎて体を壊します。
昇降、収散、潤燥昇降、収散、潤燥 昇降、収散、潤燥
昇降 食材の持つ気を上昇させる、下降させる作用があります。
昇: 唐辛子、胡椒、山葵、辛子(悲しい時に)
降: 麦、肉桂(緊張時に)

収散 気や体内の水分、エネルギーを体に収める作用と
身体から発散させる作用です。
収:もち米、空豆、銀杏、栗
散:ネギは発汗し風邪を取り除く作用があります。 
大根、ごぼう、紫蘇、生姜、ニンニク(悲しい時に) 

潤燥 潤は粘膜や血管、肌などを潤し、 
燥は体の余分な水分を排泄する作用です。
潤:胡麻、枸杞子、松の実、南瓜、トマト
燥:もち米、唐辛子、コーヒー
五味 五味
酸味(さんみ)(固渋)
固めしぶらせる作用 出過ぎるものをしぶらせる
多汗、下痢、多尿に。
酢の物や梅干、酸っぱいフルーツ。

苦味(くみ)  (燥)
乾かす作用 熱や体内に滞った湿気をとる作用。
肌の浮腫みや脂性の肌に。
コーヒー、ココア、緑茶=利尿作用、ゴーヤ

甘味(かんみ)(補)
体の衰えを補養し栄養を与える 滋養強壮 気血の虚に。
穀類、イモ類、豆類

辛味(しんみ)(発散)
体を温め、発散する作用がある 
気血のめぐりを良くする 風邪、冷え症。
ネギ、生姜、にんにく、玉ねぎ

鹹味(かんみ)(軟堅)
(しおからい)、堅いものを柔らかくする作用がある
歯茎やリンパ腺の腫れ、便秘に。 
海のもの、貝類
食材の効能表



帰経(きけい)(臓腑)
口から食べたものがどの経絡へ入り、
どの臓腑に影響を与えるかが示されています。
同じ温性の食材でも「どの臓腑を温めるか」
を知ることは重要です。

例えば、山芋は山薬といいます。 
帰経は肺、脾、胃の三臓に入ります。
健胃作用(脾)で、
風邪(肺)に抵抗力(腎)を高める効果があります。
食材によって、関係する臓器が4つ、5つになる場合があります。

効能 補気、補血、滋養(血、津液を増やす)、
温補、行気(気を流す)、
化瘀(かお)(瘀血(おけつ・血の流れの滞り)を溶かす)

肝を強めるには               

肝 - 青 - 酸 - 春 - 目 - 怒
青い背の魚(サバ、イワシ、アジ、サンマなど)、
緑の野菜(小松菜、ほうれん草、モロヘイヤ)、
味付けに酢やレモンで酸味をきかす。
春に肝が弱りやすいので特に春に食べる。
イライラしたり怒ると肝を傷めます。
肝を傷めると眼(夜盲症・かすみ目)や爪に現れます。

心を強めるには               

心 - 赤 - 苦 - 夏 - 舌 - 喜
赤い食材(トマト、大棗(なつめ)、枸杞子、人参
苦味の食材(緑茶、苦瓜、パセリ、ピーマン、ふき)
夏の暑さに弱いので、特に夏に食べる。
喜びすぎると気が緩み心を傷めます。 
心の状態は舌に現れます。口内炎、味覚の異常、
舌のこわばり、うまく話せないなど。

脾を強めるには               

脾 - 黄 - 甘 - 長夏 - 口 - 思
黄色い食材(大豆、とうもろこし、栗、イモ類)
梅雨の時期に弱りやすいので、梅雨時期に特に食べる。
思い悩みすぎると脾を傷める。 
食欲低下や口内炎や口の中がねばつくなど。

肺を強めるには               

肺 - 白 - 辛 - 秋 - 鼻 - 悲
白い食材(百合根、大根、白きくらげ、豆腐)、
辛味のある食材(にんにく、生姜、ねぎ)
秋の乾燥に弱いので特に秋に食べる
憂い、悲しむ気持ちが肺を傷める。 
鼻水やくしゃみ、喉の痛みなどに現れる。

腎を強めるには(アンチエイジング)   

腎 - 黒 - 鹹 - 冬 - 耳 - 恐
黒い食材(黒豆、黒胡麻、黒きくらげ、ごぼう、椎茸)
海から採れるもの(牡蠣、なまこ、昆布、もずく)
補腎効果のある食もの
(山芋、枸杞子、にら、栗、ぶどう、ごま、くるみ)
冬の寒さに弱いので体を冷やさない。
ビクビクした気持ちが腎を傷める。 
腎を傷めると頻尿、尿失禁、耳鳴り、難聴などに現れる。

これらの性質を知って、
証(身体の症状)にあわせて食材を摂取する事が重要です。

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